スリランカ紅茶研修(初めてのスリランカ)No.4

さて、ウヴァをしっかり!と堪能した後に向かったのは低産地のルフナへと移動しました。ウヴァからの高低差約1000m。非常に暑さが身に染みました……(高地の茶園は風も通りやすく涼しいために夏場でも非常に快適なのです。)

宝石の採掘場。スリランカは宝石の産地としても非常に有名です♪

スリランカ初の雨……と思ったらスコール!日本も最近スコールが降るようになった、とは言いますが、本場のスコールは勢いが違いました。まるで台風かのような勢いで落ちる雨粒が印象的でした。(しかも20分もあれば止むのです。うーん、自然は不思議です)

工場に到着。毎回この瞬間はわくわくします。工場へは右側からプールの消毒のような手順を厳密に経てからしか入れない決まりになっています。

この農園では茶葉を個人農家から購入しているため、茶葉のクオリティーを随時確認しています。これは萎凋後の茶葉を確認し、良い物と悪い物を選別している所。この結果を農家にフィードバックしながら随時指導を行っているそうです。

ーリングマシン。なんだか煙突のような格好ですが最新式だそうです。この工場ではローターバンは使用せずオーソドックスタイプの茶葉のみを生産しているとのこと。

発酵中の茶葉。発酵時間はローリング開始から2時間程度ですが、ローリングマシンでかなり茶葉を捻っていくために発酵はかなり進んだ状態となります。

乾燥工程。この工場はスリランカでは一般的な大規模グループの中の一農園、という形ではなく、トップダウンで経営される個別の農園なため機器の入れ替えが非常に盛んなのだそうです。

乾燥後の茶葉。ここから細かく大きさ別に選別されていきます。「大きさがバラバラだと市場がなくなってしまうんだよ。選別はとても重要な作業なんだ!」というオーナーの言葉。

オーナーと一枚♪このオーナーは非常に先進的な方で、成功者として銀行のCMにも出られているそうです。お話をさせて頂いたのですが、非常に意欲的な方でした。

茶葉のサンプルたち。オークションで落とされた茶葉にトラブルや問い合わせがあった際にはこのサンプルを使って送られた品物と同一であることが迅速に確認されます。    
ルフナを堪能した後には政府の紅茶局でお話を聞くことができました。

ルフナからコロンボへの移動中の田園風景。スリランカには所々日本を思わせるような風景が広がっていて懐かしい気分になります。気候的にも湿度が高めなので日本の方は体調を崩しにくいかもしれません

紅茶局へ到着!担当の方と記念撮影。非常に仕事に意欲的な方で、スリランカの紅茶全体のクオリティー、ブランディングを向上させたいと強く語っておられました

テイスティングの様子。ここで行われるテイスティングは普通とはちょっと意味合いが違い、「スリランカティーとしてのクオリティー」に満たない可能性が有るものだけをピックアップしており、テイスティングによりチェックを行い、その基準に満たない場合は販売ができない、というものでした。スリランカは紅茶を海外輸出向けに強く意識しているため、国全体のブランディングを重視している様子が窺えます。

時間が経った際も茶の温度を一定に保つためにできた茶液の上に覆いをしています。これもなかなか独特の光景でした。

空港に向かう途中で見たパレード。これは空港で告知されていた国際クリケット大会によるもの。この行列、なんと数100m続いていました。町中がお祭りムード一色に染まっていました。(インド・スリランカのクリケット人気はそれこそ国が動く程なんですよ!)

コロンボのホテルから見たインド洋。この写真では表せない程スリランカの海は綺麗でした!景色を楽しむだけでも行く価値は有る国だと思いました。思わず海を眺めながらしばらく「ぼー……」っとなってしまいました。

 さて、今回のスリランカレポート、お楽しみ頂けたでしょうか。国自体が初めてな事や、国土が狭いために各地域がインドに比べて非常に密接であることから、景色の変化が多く、非常に写真資料の多い旅になりました。紅茶に関しても、特にウヴァ地域のように個性的な茶葉が存在することを現地で確かめられた事は私自身非常に良い体験になりました。(勿論キャンディ、ルフナ、そして各農園にもそれぞ別個の特徴を感じる事ができました)。
 我が社ではインド国内の茶葉を扱っておりますが、これからも数々の茶体験を通して茶の知識、そして身体に入る経験を積んで行きたい、と強く感じたスリランカの旅となりました♪

 それでは、皆様、また次のレポートにて!

(株)ガネッシュ 阿部 友帆