『新茶の紅茶この一杯』
〔真狩湧水編〕
新茶の紅茶ダージリンティーとアッサムティーを極める為の仕上げには極上の水が欠かせません。
その水を求めて日本全国を巡っています。
これから少しずつではありますが『新茶の紅茶この一杯』と題して、全国各地の湧水で淹れた新茶の紅茶の美味しさをレポートしたいと思います。
毎年夏は、北海道各地の湧水で新茶の紅茶を点てる旅をしています。そこで記念すべき第一回目の『新茶の紅茶この一杯』は北海道から、羊蹄山〔ようていざん〕の湧水をご紹介します。
羊蹄山の湧水の中では京極の湧水が最も有名ですが、わたくしが選んだのは真狩〔まっかり〕に湧く湧水です。
京極も真狩も同じ山の麓から湧き出る水ですが、地下の経路が異なる為、味わいに違いが現れます。温泉が源泉の違いで色も匂いも肌触りも変わるのと似ています。
全く癖の感じられない真狩の湧水がわたくしの好みです。
今回はこの湧水を持って羊蹄山の隣の山、快晴のニセコアンヌプリに登り、山頂で紅茶を点てました。
ニセコアンヌプリからは快晴の360度ビュー。遠くには室蘭近辺や積丹半島までも眺められました。隣の羊蹄山は迫力満点に迫って来ます。
この絶景の中、羊蹄山真狩の湧水で味わったのは新茶の紅茶2015年秋茶のダージリン。落ち着いた味わいの中に豊かな香りが放たれました。単に美味しいだけにとどまらず、豊かな気持ちをふつふつと湧き上がらせてくれます。
翌日はその羊蹄山よりアンヌプリを臨みながら、真狩の水で新茶の紅茶を楽しみました。
阿部耕也 記