阿部耕也の紅茶日記
カルカッタ・スタッフからのレポート
カルカッタで紅茶の勉強しているスタッフがダージリンに行った時のレポートです。
6月8日、私はマネージャーのPuri氏と彼の奥さんに辛い別れを告げてKAREJ VALEEY茶農園に移動した。彼らのおかげで私はDOO TERIAH茶農園で、すばらしく、快適な日々を過ごすことができたのだ。
ジープで一つ丘を越えてKAREJ VALLEY茶農園に到着するには40分かかった。初めに、私はオフィスでお茶のテイスティングをした。テストした12のお茶の中で、2つのカップはマスカットのような味がした。この2つのお茶は他のお茶とは明らかに違う味がした。ひとすすりするごとに口中に香りが広がり、お酒を少し飲んだあとでさえ、その香りは口の中に残っていた。その瞬間に私はマスカットフレーバーとそのほかの香りとの違いを理解できた。しかし私は今、その違いを表現できない。煎じ出した味も覚えていない。すばらしいかおりはほんの少しの間しか感じていられなかった。実際の味を覚えておくことは難しいのだとわかった。
夕闇が迫った頃、茶摘の女たちが背中にかごをしょって工場に帰ってきた。仕事の苦労にもかかわらず、彼女たちは笑い、おしゃべりし、とても生き生きと輝いていた。
KAREJ VALLEY農園では製造過程を見ることはできなかったが、私は労働者たちの雰囲気と、茶農園に生きる人々の美しい人生を感じることができた。ダージリンティーという最終的な製品は、人間の手と機械とがうまくミックスされたすばらしい作品だと私は思う。
マネージャーのRAI氏にさよならを言うとき、私は彼に、もし生まれ変わったらお茶を作る人になりたいと告げた。「この仕事はおもしろいが難しいよ。」RAI氏は笑いながら答えた。(by Yuki)