阿部耕也の紅茶日記
2003夏茶試飲レポート
10月27日(月)から発売の2003年夏茶の試飲レポートです。
ダージリンは両茶園共、とってもふくよかな味わいです。
水色は夏茶の特徴が良く出ていて濃い赤色です。
春茶の水色が極めて薄くて、けれど味わいに力強さがあるのとは正反対の紅茶です。
それにしても、私どもの選ぶ紅茶は季節毎の特色がはっきりと出ています。しかし、選んでいる基準はその様な個性の茶葉を意識しての事ではありません。
実際、オークション前に手元に揃う季節毎の紅茶は、茶園毎の違いや、原木(中国種、アッサム種、クローネル種)の違いの影響よりも、その時の季節によってほぼ同じ様な味わいになる事が常で、そのベースの上に先程の2つの要素や加工方法の違いが香り、また味の差となって現れます。
どうも、その年の季節毎の違いが明確に感じ取れない単品紅茶が世に出回っていますが、私にはその意味がどういう事なのかが理解出来ておりません。全くもって、『不思議』です。
*茶道具について
手元に有る様々なポットを利用してお茶を点てております。
道具により、保温度合いに差が出てくるのがその理由です。
勿論道具に左右されない、『性能』の良い紅茶をオークション前のテイスティングの時点で選んでおります。
*茶量について
紅茶の常識とされる3g・3分を、試飲では1.5g(小さじ5ccすり切り1つ)、10分から始めます。
結果、今回のダージリンは小さじすり切り1つ(1.5g)で12分程保温した状態で、ベストの香りと味が出ます。ダージリンは試飲からふた月毎に1分ずつ浸出時間を短くして頂けるとタンニンの酸化に上手く対応して頂ける筈です。
あ、今回のアッサムのストレートも美味しいですよ。茶葉は小さじの6分目(約2g)程度で充分です。
こちらは、タンニンの変化がダージリンと比較して少ないので、浸出時間は時間の経過に合わせて変える必要は無く、常に1分半から2分程度で充分です。