阿部耕也の紅茶日記
『小さな喫茶店を開こうよ』 その6

 峠の茶屋には名物の団子があります。「名物に美味しい物なし」と言われておりますがどうしてでしょうか?それは多分需要を無理に掘り起こしてまで売ろうとするからでしょう。
私が住んでる近くに印象的なお店が2店あります。一店は八百屋さん、もう一店はお団子やさんです。共通点はどちらの店も夕方になると店から商品が消える、つまり、売り切れてしまうのです。どちらの店も当然の事をなさっているのです。だから何も気負うこともないのです。素敵な方達です。
 私は『行商は商売の王道』と思っています。山や海の幸を都市部へ、そして都市部のタイムリーな情報を住む町や村に運ぶ。何とすばらしい!背中に背負えるだけの品物を売り切れば商売終了。お客様は何十年と顔見知りの、これぞ完璧な現代で言うルートセールスの元祖です。TVなどを通して時々全国各地で今も活躍されている行商の方の姿を見るのつけ(行商をされているのはなぜか女性が多い)『これが王道』と確信するのです。反面、名物のお土産を売るお店を訪ねればそこには売り切れる事のない商品が山積みされています。