阿部耕也の紅茶日記
『小さな喫茶店を開こうよ』その9

随分久方ぶりになってしまいましたが、このシリーズをまた続けます。

私は事業としてティールームを2店開きましたが、もし私が一人でこの『新茶の紅茶』を使って小さな喫茶店(これから先はティールームと呼ばせて下さい。馴染んだ呼び名ですので・・。)をもう一度始めから開こうとするなら、そして開業する地がここ仙台なら、第一の候補地は・・宮城県民会館の隣・・、つまり今の場所と全く同じ場所を選びます。そしてフロアーも2階を選びます。そうガネッシュティールーム定禅寺通店そのものです。ここから見えるけやき並木はちょうど伸びた枝と葉が風に揺れる姿が大きな窓の中にすっぽり収まって見え、実に美しい景色です。大きな窓枠がちょうど額縁の役目をしてさながら美しい一枚の絵を見ているようです。多くの街を歩いてみましたがこれほどの美しい空間とは未だ出会っていません。毎日見ていてもあきない風景です。「何年通っても同じ景色には出会わないですね。紅茶と本当にぴったりです。」とおしゃっていただいています。
さて、第2の候補地は宮城県美術館です。美術館の中庭が窓越しに見えるか、又はそばを流れる広瀬川の流れを眼下に見られたら最高です。既に営業しているカフェがありますが、現実はどちらの景色にも背を向けています。私なら壁を取り払い解放されたガラス面にして、広瀬川の景色と緑を眺められる林の中にいるかの様なティールームにします。その美しさと豊かさは想像する以上のものになるでしょう。美術館は美しいものを鑑賞する場ですから「美術と茶」どちらも上質を求めたいものです。ここで日々美しいものに接しながら極上の『新茶の紅茶』をゆっくり召し上がって頂けたらどんなに幸せでしょう。
第3の候補は山の中です。森と川とそして近くに温泉・・。これにはモデルがありますので、久しぶりにそちらを訪ねて皆さんにご紹介したいと思います。お楽しみに。
そう、ここでガネッシュティールーム一番町店は候補のあがらないのか?って。只今都会のオアシスとして店を育てている最中です。一番町店は借景を求めるのではなく、本来『新茶の紅茶』のティールームには適さないと思われる場所で敢えて挑戦している店です。そうこうしている内に開店から8年が過ぎ、この間思いつくままあらゆる実験をここではしました。それもやっと完成形に近づきつつあるかな?と予想し努力中です。こちらも順次レポートしていきます。

「私の近況」
私が長くフォローしているティールーム開業希望の方が幾人かいらっしゃいます。その中でもかなり長くやりとりしている方の依頼で岡山県に行って来ます。具体的な開業に向けての動きですが、依頼者の了解が得られるようでしたら皆様にもレポートさせていただきます。