阿部耕也の紅茶日記
2004年秋茶について
既にお気づきの方も多くいらっしゃることと思いますが、今回のダージリンの秋茶は本当に美味しいですね。
私などはダージリンストレートティーとアッサムミルクティーを合わせたら毎日10杯は飲みますが、今回は特にダージリンストレートティーにはまっています。5~6人用のティーポットに小さじすり切りでダージリンリーフティーを3杯だけ入れて(茶葉は本当に少な目に入れます。)沸騰したてのお湯をたっぷり注ぎ茶帽子で保温しておきます。(飲みきるまで保温する事が美味しさを引き出す大切なコツです。)約5~6分浸出させて1杯目をカップに注ぎます。「う~ん 美味しい!」最初の1杯目は薄味と香りを楽しみます。2杯目は10~15分後に。5杯目を飲みきる頃には1時間位立っていますが味わいが徐々に深まって毎日その美味しさの虜になります。そんなポットティーを一日に2回は作りますからかなりの量の紅茶を飲んでいることになります。
秋茶に関してお話ししますとここ2年程前からダージリン・ティーは秋茶がとても美味しくなってきました。その理由はもともとは穏やかな(やわらかい)味わいを特徴とした秋茶は春茶や夏茶に比べると香りが少し弱いという難点があったのですが、それが2年ほど前から見事に改善されて文句の付けようのない紅茶になったのです。これは製法の課程で揉みを弱くし、同時に発酵時間も短くし更に発酵を止める為の熱風を吹き付ける時間を短くしたものと思われます。この様な方法によって緑味が残った味と香りのある紅茶に仕上がったのです。
私が一番好きな春茶と似て秋茶の茶葉にも緑茶を思わせる発酵していない緑色の茶葉が多く混じっていることに気付かれることでしょう。
もう『紅茶は黒く発酵した茶葉』等という表現は、ダージリンティーの最上級品には当てはまらない表現となりました