阿部耕也の紅茶日記
奇跡のテーブル
「雨の日にはアル・ケッチァーノへ行こう。」
7月11日、その日も朝から強い雨でした。
朝7時前に仙台を出て一路山形県鶴岡市を目指しました。
奥田政行シェフと会うのはこれが二度目。一度目は定禅寺通りのティールームで6月4日の夜遅くでした。中村さんは奥田シェフと私阿部との仲人役、ガネッシュティールームでは顔の知れた『ミルクティーの親子』で通っています。水曜日の夕方になると奥様とご子息と三人で仲良くお店にいらっしゃいます。もう何年になるでしょう?初めてお会いした日を忘れてしまう程の長さです。その中村さんの『強い想い』が今回私と奥田さんとを義兄弟のように引き付けることになったのです。
その想いとは、『奥田シェフならきっとこのミルクティーの美味しさを理解し、そしてそこから何かを生み出されるはず、それを見届けたい』というものでした。それを鶴岡までの車内でお聞きし、思いがあると動くものだなぁ……と当の本人が感心していました。
(ここで、アル・ケッチァーノをお知りになりたい場合は、下記を御覧下さい。)
(http://www.ques.co.jp/alchecciano/)
(又は、アル・ケッチァーノ、山形鶴岡、奥田政行(シェフ)、情熱大陸のいずれかをインプットして頂くと情報が得られます。)
前置きが長くなりましたが、奥田シェフが初めてアッサムミルクティーを口にした際の言葉が私の心を揺らしました。それは「ディジャヴだぁ……!」と一言。その後でミルクティーのことやインドの話をしましたが、その日(6月4日)はそれ程時間が取れずに、またいつかお会いしましょう……で別れました。
その後、中村さんを通じて是非私阿部にガネッシュのお茶を教えて欲しいというご要望にお応えして7月7日にオープンしたばかりのアル・ケッチァーノに隣接する喫茶店イル・ケッチァーノを訪ねてご指導させて頂くことになったのです。
通常食のプロには最低で8時間の講義を受けて頂くのですが、それを短縮して当日(7月11日)は午前・午後に分けて講義、そして有意義なおしゃべりを致しました。私も久しぶりに芯の通った方(奥田シェフ)を生徒にして、前日まで約4年ぶりの酷い風邪で寝込み続け点滴を打っていた身にも関わらず、おしゃべりが進むにつれて徐々に元気になってきたのには私自身驚きました。
仕上げは奥田シェフのお料理。午前中の講義の終わり頃に、急に「阿部さんの体調を感じたので、そこから浮かんだインスピレーション(実は論理的に裏付けされているのだが、彼はこの様に表現する)で、これから食材を畑に取りに行き、料理を作りにいきます、用意したメニューは変えます」と。
その食事をゆっくりと頂戴して、その後のティータイムには午前中の私とは別人の様に気力の戻った表情になっていたことをここで皆様にご報告させて頂きます。
かなり気合の入った紅茶日記となりましたが、私阿部は元気に動いておりました。当日は7月2日、9日に行われた夏茶オークションの紅茶のティスティングもしてみました。スタッフの皆様も大変熱心に飲まれまして、「同じダージリンティー、同じ夏茶でこんなに味も香りも違うなんて驚きました!」とコメントされていました。ちなみに私と奥田シェフは同じ紅茶を選びました。
その紅茶が夏茶として発売されますのでお楽しみに!」
※sample No,91 SUNGMA茶園
Invoice NO DJ.205 ランク SFTGFOP1(CL) です。
(CL)とは、クローネル種の意味で元々の原木(苗木)が中国から来た中国種と(CH)、アッサムから来たアッサム種(アッサム種は無印)とを交配(接木)させて人工的に作ったのがクローネル種(交配種)と呼ばれています。
……ということで、イル・ケッチァーノさんとアルケッチァーノさんで新茶の紅茶が飲めるようになりました。