ニルギリ茶園研修レポートNo.7
ここまで来れば気になるのはニルギリ茶の印象です。
先に書いた通りにニルギリではどの農園でも歓迎の意味か紅茶に砂糖とレモンが入っている傾向があり(一応ティスティングしているので印象は掴めたのですが)ホテルなどでは紅茶のクオリティーが定かでは無いため、日本に帰国してからゆっくりと持ち帰った紅茶を確認する事にしました……
が、全体的に言えることは「非常に個性がある!」という印象を持ちました。
気候条件と葉の持っている性質でしょうか、黄金色の茶液の中から非常に緑っぽい香りを放つ風味が特徴でした。
特に私が印象に残ったのはGLENDALE農園とVigneshwar農園の紅茶で、長時間置いても苦くならない非常にフレッシュ感のあるお茶でした。チャイも試してみましたが、発酵時間が長い農園の紅茶がチャイ向きなようです。ただ、高地で取れる性質上多めの茶葉で淹れないと牛乳や豆乳の風味にお茶が負けてしまいます。とはいえ非常に興味深い紅茶です。「今回一度きりの出会い」というには勿体無いかな?と思わされてしまいました。
さて、今回のニルギリレポートですが、非常に得る物が多くありました。特に南インドの茶産地に関しては日本で得られる情報はとても少ない中、南インドの茶生産の「生」の様子を見られた事は私個人としても大きな経験になりました。また、質の高い茶生産に関しても研究が始まっている様子など、これからニルギリが高いクオリティーの茶産地としてアピールしていこうという気概と、工場等の設備、管理などの良さの両面からニルギリの将来像を感じ取る事ができました。
ただし、まだダージリン茶、アッサム茶の最上級紅茶の域に達していないように思われます。
また機会があれば是非訪ね「今回よりも更に深い所まで研究したい!」と心から思った今回の旅でした。
P.S 南インド全体、特にコーチンに関しては非常に治安も良いとのこと。(アーユルヴェーダの施設もあり、ヨーロッパ各地からコーチンに移住、長期滞在される方、も多いそうです。)少しいつもと違う海外旅行に行こうかな、と考えている方は是非一度訪れて頂きたい場所でした♪
ただし暖かいというよりは常に30℃を越えるので「暑い」のが大好きな方向けかもしれません(笑)。
阿部 友帆 記