スリランカ紅茶研修(初めてのスリランカ)No.3
さて、ジェームステイラーのお墓を後にした後はヌワラエリアを抜け(ヌワラエリアの茶園、スリランカのダージリンとも呼ばれるためとても見学したかったのですが、残念ながらクオリティーシーズンと全く合わずに断念、でした。次回こそはっ!)、世界三大紅茶の一つであるウヴァの茶園を見学することになりました。
ウヴァの紅茶はウヴァフレーバーと呼ばれる独特の風味と強いボディーが特徴なのですが、果たしてそれを体感できるのか。ドキドキしながらの到着となりました。
スリランカの夕日。スリランカは夕日がとても綺麗です。一日の疲れもあってその綺麗さにボーっとしてしまいました。
ウヴァ地区の近く、バンダラウェラという街の市街地です。活気があってスリランカという国の元気さを感じました。
さて、次の日は朝から快晴!そしてお待ちかねの工場見学!です。今回訪れたのはAISLABY農園。ウヴァの中でも特に有名な農園です。従業員の方は工場、摘み取りなど全てをあわせるとなんと1000人!非常に大規模な農園であることがわかります。
萎凋中の茶葉の様子。このAISLABY農園では萎凋を茶葉の状態によりソフト、ミディアム、ハードの三段階に分けており、40~50%程の水分をここで削減します。(大体12時間程の萎凋時間)写真はそのチェックを行っている様子。茶葉を丸めて潰した際の戻り具合で萎凋度合をチェックしています。
萎凋室は必ずといっていいほどメインの工場より高い階層にあります。(風がよく通る場所が無いと空気の入れ替わりが行われないため)そのため、ローリングマシンにはこういった穴から直接マシンに注ぐ形で茶葉が送られていきます。
萎凋室の様子。萎凋室は非常に独特で癖になる香りと萎れていく葉が出す湿度による特別な空気感が漂っています。こればかりは文字と絵では伝えられない物です。これだけを体験するためにインドやスリランカに行ってみる!なんていうこともいいかもしれないですよ!(笑)
ローリングマシン。ここで葉が丸められます。ちょっと見にくいですが、中央のブレード状の丘(葉を揉むための部品)が非常に高いのです。スリランカの茶葉工場はこの丘がダージリンに比べて非常に高いのが特徴で、そのために葉が揉まれながらも押されて潰されるような状態になり、葉汁もある程度出るため、ここからかなりの勢いで発酵が進んでいきます。
この工場ではローリングした葉をローターバンというミンチ機で全てカットします。
カットされ、ミンチ状になった茶葉。空気に触れる面積が非常に大きいため、ここから加速度的に発酵が進んでいきます。
発酵棚に置かれた茶葉。まだ発酵終わりではないのにもうかなり茶色が強くなっています。
乾燥を終えた茶葉。非常に濃厚な黒に近い色をしています。
お待ちかねのテイスティング!噂に聞くウヴァフレーバーは衝撃的でした!渋みが非常に強いボディーの後に来る甘さとなんといっても湿布のような、ミントのような、なんとも言えない独特の香味。好みは分かれるとは思いますが、非常に興味深い茶葉でした。ちなみにクオリティーシーズンの7、8月以外はあまり独特の香味は出ない、とのこと。
最後はいつも通りマネージャーと記念写真♪今年は8月を越えても雨期が来ないため、全く雨が降らずちょっと苦労をしている、とのお話をしていました。
さて、AISLABY農園を後にした私が次に向かったのはUVA HIGHLANDS農園。あまり農園の写真ばかりでも長大になってしまうので(笑)。ここは簡単に写真と共に見てみましょう。
農園内で茶摘みしている人と一緒に記念撮影。この日のウヴァはまさに雲一つ無い快晴で、心地よい風が通り抜ける最高の日でした。天気が良いとそれだけで気分も明るくなりますよね♪
UVA HIGHLANDSの工場へ到着。
工場で働いている従業員と記念撮影。皆さん作業中はマスクをしています。
勿論テイスティングもさせて頂きました。独特のウヴァフレーバーはここUVA HIGHLANDSでもやはり感じられました。
さて、スリランカと言えばサー・トーマス・リプトンを押さえないわけにはいかない、ということでテイラーズシートに加えてウヴァのDAMBATEN農園近くにあるリプトンズシートにも訪れました♪……と、ここまでは良かったのですが、このリプトンズシート、非常に景色の良い場所に有るのですが、それは同時に非常に景色の良い場所まで登らなければいけないわけで……。そこで農園の方に車を出して頂いたのですが、そこは日本ではあり得ないような、というか岩を最低限組み合わせた道。しかも車一台が通るのがやっと、という広さ。片側は農園(ほぼ崖、という角度で落ちたら最後、延々と落ちるのは確定)。そこを延々と45分……正直生きた心地がしませんでした(苦笑)。そして遂に到着。ふーっと息を吐いて見えた景色が……!
これです!どうでしょう、この見事な景色。
スリランカは国土の関係か非常に土が赤いです。(これが写真になかなか出ないのが残念)これがスリランカ紅茶に独特の強いボディーを生む要因なのかもしれません。(製法、気候条件が異なる農園でも一定的にその傾向があるので)
リプトンシートに到着-!観光の方もそれほどいないのでスリランカを訪れた際は是非……とはいえ行く方法がかなり厳しくは有るのですが。でもそれだけの価値はある景色ですよ!
道路の間に敷かれている水路。このように全ての道が岩場な上に非常に狭く、更にたまに岩が無い所が段差になり……とかなりの道でした。行く際には心と酔いを考えると近くからピクニック気分で歩いた方が無難かもしれません(とはいえ3-4キロ山道をハイキングするので、それはそれで体力が無いと厳しいのですが(苦笑)